投手のコントロール
- 幸平 宮下
- 5月11日
- 読了時間: 3分
サロンメンバーの皆さん、こんにちは!
ソフトボールトレーナーの宮下幸平です。
今回は、「投手のコントロールに関する文献」という内容でお届けします。
「バッターが立つと、急にコントロールが悪くなる」
「ストレートがいいが、変化球のコントロールが悪い」
こういったお悩みをたくさんいただきます。
そこで、今回は複数の野球投手の文献を基に、投手のコントロールについて、解説してきます。
今回のポイントは、
・コントロールとは、「同じ動作の再現性」ではなく、「環境への適応能力」である。
・知覚ー運動の相互作用から自己組織化される
・練習が試合の情報環境を再現されていない場合、コントロールは転移しない
・真のコントロールは、アトラクターの安定性と探索能力の両立によって生まれる。
なぜ、コントロールなのか?
「コントロールをよくするには、フォームを固めろ」
こんなこと、言われませんか? ブルペンでいいけど、試合になると突然崩れる投手は多く存在します。逆に、フォームが一定ではないのにも関わらず、試合では安定したパフォーマンスを発揮する投手もいます。
この違いは何でしょうか?
この答えは、Ecological DynamisとRepresentative Lerning Desingの思想によって解説されます。
コントロールは「再現」ではなく「適応」である
従来の運動学習理論では、スキルとは内部の保存された理想的な動作を反復し、再現する能力とされていました。
つまり、フォームを一定に獲得し再現するということでs。
しかし、Ecological Dynamisでは、スキルは固定された動作ではなく、
環境との相互作用の中で自己組織化されるプロセス
と定義されます。
つまり、投球動作は内部から再現されるのではなく
・打者
・カウント
・捕手のミット
・ゲーム状況
・マウンドの状態
といった環境の中で、その瞬間ごとに形成されます。
試合では、完全に同じ状況は二度と存在しません。
それにもかかわらず、投手は常にストライクゾーンを攻め続けることが求められます。
つまりコントロールとは、
同じ動作を繰り返す能力ではなく、異なる状況を解決し続ける能力なのです。
なぜ、ブルペンのコントロールは試合に転移しないのか
Representative Lerning Desingでは、
練習は試合と同じ情報環境を含まなくてはならない
とされています。
スキルとは、近くと動作の結びつきによって形成されます。
しかしブルペンでは、
・打者の存在
・配球の意図
・カウントの意味
・意思決定の制約
が存在しません。
つまり、
「試合とは異なるスキル」
を練習している可能性があります。
コントロールとは、動作の精度だけではなく
環境情報に対する適応能力だからです。
コントロールは、「アトラクターの安定性」と「探索」の両立である。
これまでの文献を統合すると、
コントロールは、フォームの再現性ではなく、安定したアトラクター構造の中で、環境に適応し続ける能力です。
アトラクターが不安定な投手は、毎回異なる動作を生み出してしまい、知覚ー運動システムが安定しません。
最も大切なのは、
・骨盤・体幹のアトラクターの安定
・腕、リリースの適応能力
の両立です。
動作は安定しながらも、環境に適応する柔軟性を持ちます。
現場への落とし込み
コントロールを向上させるには、
・打者と立たせる
・カウントを設定する
・配球の意図を持たせる
・結果に意味を持たせる
といったRepresentative Lerning Desingが必要です。
知覚ー運動システム全体をトレーニングすることが重要です。
参考文献
・An ecological dynamics approach to motor learning in practice: Reframing the learning and performing relationship in high performance sport
・Representative Learning Design and Functionality of Research and Practice in Sport
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