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ソフトボール投手のためのArm Care(理論編)

  • 執筆者の写真: 幸平 宮下
    幸平 宮下
  • 4月6日
  • 読了時間: 4分

サロンメンバーの皆さんこんにちは


本日は、「ソフトボール投手のためのArm Care」という内容でお送りいたします。



なぜArm Careが必要なのか?


ふと思う方もいるかと思います。


「ウィンドミルは、肩を1回転させて名が得るから上半身にかかる負担が少ない」

と聞いたことはありませんか?


2008年に開催された北京オリンピックでは、上野由紀子投手が2日間で3試合に登板し「上野の413球」と伝説的に語り継がれています。このように、ソフトボールでは、1つの大会で投手の連投が珍しくありません。

野球では、育成世代や国際大会での球数制限の導入、高校野球でも球数制限が議論となっていますが、ソフトボールでは、世界的にみてどの年代においても球数制限は設けられていません。


果たして、ソフトボール投手の肩や肘は本当に大丈夫なのでしょうか?


答えは


「No」です。


ここからは、ソフトボール投手にどのような負担がかかっているか、考えていきます。



ソフトボール投手の痛みや不調はどこから?


ソフトボール投手に発生する痛みの部位として、肩関節が最も多く(約50∼60%)、次いで膝、腰が多いと報告されています。肩関節に痛みが生じた選手のうち、約50%が2週間以上の競技制約を受けています。そのため、肩関節へ障害予防は、非常に重要になります。


肩関節への痛みが多い理由として、

1.肩関節への過剰な牽引力

2.投球数の多さ

3.競技日程と連投

4.間違った認識


この4つの誘因が入り混じることで、オーバーユースが起きやすくなり痛みや不調の原因になることが考えられます。



ソフトボール投手に必要な肩関節の機能解剖学


肩関節は、広くとらえると上腕骨、肩甲骨、鎖骨、胸骨、肋骨の6つの骨で構成されています。関節を構成する要素として、骨の他に、筋肉、靭帯、関節包、滑液包…など様々な組織で構成されます。細かい機能解剖は正書を参考にしていただければと思います。

その中で、今回は、上腕骨と肩甲骨で構成される肩甲上腕関節(今回でいう肩関節)について解説します。


筋肉の話




肩関節を安定させて動かすには筋肉の機能が必要不可欠です。

肩甲骨を肋骨に安定させるための筋肉(僧帽筋や前鋸筋など)と上腕骨頭を肩甲骨に安定させる筋肉(腱板や上腕二頭筋腱)の働きが大切です。


 腱板は、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の4つの筋肉の総称です。棘上筋が外転、棘下筋が外旋、肩甲下筋は内旋と個々の筋肉が肩関節の運動の関わることに加え、上腕骨頭を関節化に対して安定させる機能が重要です。

 上腕二頭筋は力こぶの筋肉です。主に肘を屈曲(曲げる)動作に関関与しますが、肩関節屈曲にも補助的に関与し、腱板の補助的な役割を担います。


関節の話


 上腕骨と肩甲骨は連動して動き、挙上(腕を上にあげる動き)をしたときに2:1の割合で動きます。これを肩甲-上腕リズムと言い、肩関節機能のベースになります。

 ウィンドミル投法の場合、 動作開始~Top of Back(投球上肢が頭上)までが上肢の挙上に合わせて肩甲骨は上方回旋/外転/外旋位 Top of Back~Ball Releaseまでが上肢のダウンスイングに合わせて、下方回旋/内転方向に動きます。 肩甲骨が上肢に合わせてスムーズに動くことで、効率良くリリースに向かって腕が振れることになります。

 この動きがうまく機能しない場合、代償動作や動作効率の減少が生じるため、腰や肩関節、肘関節へのストレスが増加し、痛みや不調の原因に繋がります。



連投による影響とは?

 ソフトボールの場合、連戦、連投は比較的多いかと思います。この時、腱板にはどのような状態が起こっているのでしょうか?

2日間の連投の場合、腱板機能は完全に回復せず、筋力が低下した状態でスタートします。(Skillington SA et al : 2018 )

そのため、上腕二頭筋などほかの筋肉で代償が生じたり、じん帯などの張力に頼る状態になります。

 このような状態では、Overuse損傷のリスク向上やパフォーマンス低下が生じる可能性が考えられます。投げ込みも同様です。

 ちなみに、試合とブルペンでの投球の強度を調査した研究では、試合と比較して1~2割程度ブルペンでは強度が落ちると報告されています。

投げ込みによる気づきは必要ですが、過剰な投げ込みは避けたいところですね。



次週は実際のケアをお送りいたします。 投げ続けるために、確かな知識をつけることは一つ重要な役割になりますので、この記事を読んで自分の肩や肘を守れるようにしましょう。


宮下幸平


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